25/04/07
抜歯と同時にインプラント埋入を行うことで治療期間を最短にすることができた症例
歯が折れてしまって、かかりつけ歯科ではインプラント治療を勧められたそうなのですが、インプラントは専門クリニックで治療を受けたいとのことで当院にご相談に来てくださいました。
当院にてレントゲンやCTを撮影し、現在のお口の中の状態を診断をしていきました。
破折してしまった部分はかなり深くまで虫歯が侵入してしまっており、やはり歯を残しての治療は難しいとい判断はかかりつけの歯科と同じでした。
しかし、幸いにも骨がしっかりと残っていたので、歯を抜くと同時にインプラント埋入を行う「抜歯即時埋入術」の対象となることがCTなどを診断すると分かりました。
当院は抜歯即時埋入の件数も多く、可能な患者様へは積極的に勧めております。ただ、無理に行うと逆に治療期間が長くなることもあるため、適切にCTなどで診断をした上で行うようにしております。
この図のように理想的な位置にインプラント埋入を行った時にどの程度骨と接触して、固定が得られるかを事前にシミュレーションを行うことができます。
緑の部分は骨としっかり接触する部分になるので、この患者様の場合はしっかりとインプラントの周りに骨があるので、抜歯即時埋入が安全に行えることを手術前に確認をすることができました。
このシミュレーションした通りの位置にインプラントを埋入するためにサージカルガイドと呼ばれるマウスピースのようなものを作成し、予定通りの位置に埋入ができるように準備をします。
手術中のシミュレーションをしながら当院ではこのインプラントの位置やサージカルガイドの設計まで私が1人で行っている点も精度の高い手術が実現できる一つの要因だと思います。
このように手術が始まる前からきちんとプランニングを行うことで、正確な手術を行うことができ予定通り3ヶ月で仮歯が入り、5ヶ月で治療を終えることができました。
残念ながら抜歯を回避することはできませんでしたが、適切な術式選択をすることで治療期間を最短化し、歯列の崩壊を食い止めることはできたことは良かったと思います。
抜歯即時埋入は症例をきちんと見極めなければ、埋入ポジションのズレやインプラントの失敗につながる可能性もあるため、逆に治療期間が長引いてしまう可能性があります。
もしも抜歯が必要と診断されてしまった方で、インプラント治療を検討している方がいらっしゃれば抜歯の前に診察をさせていただければ抜歯即時が可能な状態なのかの診断もできますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
年代・性別 | 50代・女性 |
治療のリスク・副作用 | ・外科処置が伴うため、術後に痛みや腫れ、出血を伴います。 ・治療後のメインテナンスを怠るとインプラントの歯周病(インプラント周囲炎)になる可能性があるので、定期的に歯科医院で口腔ケアが必要になります。 |
治療期間 | 約4ヶ月 |
治療費用 | 総額:49.5万円(税込み) 内訳: ・インプラント埋入術:27.5万円(税込み)×1本 ・セラミックの被せ物:16.5万円(税込み)×1本 ・追加の骨を作る処置(GBR):5.5万円(税込み) |
福居 希(医学博士、口腔外科認定医)
大阪医科大学口腔外科で口腔外科認定医および医学博士を取得した。またアメリカのカリフォルニア大学(UCLA)のインプラント科へ留学し、インプラント治療を学んだ。
現在はフリーランス外科医として出張手術を行う傍ら、スタディーグループsurgical Implant Instituteを主宰し若手歯科医師を対象にインプラント外科を教える場の提供や講演会などでの発表をおこなっている。
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