25/02/15
インプラントの失敗で後悔しない|失敗の原因と対策、医院選びのポイントを解説
『インプラント治療に興味があるけれど治療して後悔しないかな?』
『インプラントを受ける前に知っておいた方がいい注意点はある?』
『事前にリスクを理解してから治療を行いたい』
インプラント治療は適応を守って行えば患者様にとって非常にメリットが大きい治療ですが、同時にインプラント治療を受けたことを後悔される患者様もおられます。
このページでは、奈良県でインプラント治療を専門的に行っているLOHASデンタルクリニック院長の福居が、インプラントで後悔する原因や失敗事例について詳しく解説します。
当院では、インプラント治療の専門家である院長の福居が丁寧な診査・診断を行い、患者様お一人おひとりに最適な治療法をご提案しています。まずは無料カウンセリングにて、お悩みをご相談ください。経験豊富な院長が、患者様の状態や希望を詳しくお伺いした上で、最適な治療プランをご提案させていただきます。
目次
一般的に歯を失った際には、インプラント、入れ歯、ブリッジの中から治療を選択します。これらの治療の中でもインプラントは、唯一の顎の骨と結合することで固定を得る治療法です。顎の骨にフィクスチャー(インプラント体などとも呼ばれる人工歯根の部分。)を埋入して固定を得ることで、単独で植立するため、インプラントは周囲の歯に負担をかけることがほとんどありません。また、しっかりと噛み応えが顎の骨にまで伝わるため、食事をより楽しむことができます。
挙げ始めるとキリがないほどメリットの多いインプラント治療ですが、同時にデメリットやリスクも存在しており、これらをよく知らないまま治療を受けることで、将来的にインプラント治療を選んだことを後悔してしまう患者様もおられます。
そんな患者様を少しでも減らすために、ここからはインプラント治療で後悔する主な原因について、解説させていただきます。
インプラントで後悔する原因はさまざまですが、ここでは主要な原因を7つご紹介いたします。
これ以外にもさまざまな理由でインプラント治療を後悔することもあるかとは思いますが、主要なものとしてはこれらを覚えておいていただければ良いかと思います。以下でそれぞれ詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
「インプラント治療が終わったと思ったら、また別の歯がダメになった。またインプラントを勧められた。」
このようなお話はよく耳にします。
患者様としてはやっとインプラント治療が終わったと思ったので、次に別の歯がダメになり、またインプラントを勧められて、一体何本インプラント治療をしなければならないのだろうととても不安になると思います。
歯を失った時に簡単に健康な歯を削ってブリッジにするのではなく、インプラントを選択肢に含めることはとても良いことだと思います。しかし、そもそもその歯を失った原因が解決されていなければ、また他の歯が次はダメになってしまいます。
ですので、きちんと全体的なお口の中の状態や残っている歯のコンディション、他に抜歯を検討しなければならない歯がないかなどを検討して、治療計画を立てて進めなければ、結果的に必要以上にインプラントに費用がかかってしまうことがあります。
ですので、治療開始前にきちんとした検査と治療計画を立てることは必要不可欠になります。
インプラント治療を行ったことを後悔する理由として、最も有名で、かつ注意が必要なものが、インプラント周囲炎です。
インプラント周囲炎は歯周病によく似た病気で、インプラント周囲炎を発症すると、歯茎から膿が出たり出血するほか、歯槽骨が溶けてインプラントがグラグラし始め、最後にはインプラントが脱落してしまいます。
当然進行すれば痛みも生じるため、インプラントで後悔しないためにはインプラント周囲炎を防ぐことが最も重要だといっても過言ではありません。
インプラント周囲炎は主に、インプラントの周辺に歯石が付着し、衛生環境が悪化することが原因で発症します。
インプラント周囲炎になる原因をより細かくご説明しますので、インプラント治療を検討中の方は必ずご覧ください。
インプラントを埋入するポジションや、上部構造の人工歯の形態が悪いことが、インプラント周囲炎の原因になることがあります。インプラントを埋入したポジションが悪いことが原因になり、インプラント周辺の清掃性が難しくなり、汚れが溜まったり歯石が付着しやすくなります。
インプラントの上部構造の人工歯に使用する素材に何を選ぶかによって、インプラント周囲炎のリスクが高まる可能性があります。当院ではインプラントの上部構造には、ジルコニアセラミックを使用しています。ジルコニアセラミックとは、フレームに強度の高いジルコニアを使用し、表面には審美性に優れ適度な柔らかさのセラミックを焼き付けた、二層構造の被せ物です。ジルコニアやセラミックは表面がツルツルとしており、汚れが付着しにくいことが知られており、清掃性にも優れた素材です。
対して、ハイブリッドセラミックと呼ばれる、レジンとセラミックを混ぜ合わせた素材などは、汚れが付着しやすくインプラント周囲炎のリスクの高い素材だと考えられます。当院ではインプラントの人工歯にハイブリッドセラミックを使用することはありません。
インプラントを安全に埋入するための要件として、角化歯肉(硬い歯茎)が最低でも2mmは必要とされています。角化歯肉の幅が少ないと、インプラント治療終了後にインプラント周囲炎に罹患するリスクが高くなるとも言われているのです。特に第二大臼歯(一番奥の歯)の付近は角化歯肉が少ない傾向にあり、要件を満たさない場合は歯肉の移植などの治療を行う必要があります。
インプラント周囲炎を防ぐためには、インプラント治療を行う前に、歯周病治療を行なっておく必要があります。一説には日本人の成人の約8割が歯周病に罹患していると考えられており、歯周病は皆様にとっても身近な病気です。
歯周病が原因で歯が抜けたことは無いので大丈夫だろうと考える方もおられるかもしれませんが、インプラントは人工物のため免疫機能が備わっておらず、天然の歯と比べて歯周病の進行が非常に早いことが知られています。そのため、インプラント周囲炎を防ぐためには、事前に歯周病治療を行う必要があります。
上述の通りインプラントは歯周病が進行しやすく、衛生環境の悪化に非常に弱いことが知られています。そのためインプラント治療後は、より一層しっかりと歯磨きやフロスなどのセルフケアを行う必要があります。
また定期的に歯科医院でのクリーニング、メンテナンスを受けることも大切です。インプラント周囲炎にはインプラント周囲粘膜炎という前段階があり、この段階であれば簡単な治療で対処できることが多いです。しかしインプラント周囲粘膜炎には自覚症状がほとんどなく、患者様が気付いた時にはインプラント周囲炎にまで進行してしまっていることがほとんどです。
定期的に歯科医院でクリーニングやメンテナンスを受ければ、インプラント周囲粘膜炎の段階で症状に気づき、適切な対処を行うことも可能です。
インプラントを埋入した後に矯正治療をしようと思っていたら、インプラントが邪魔で矯正ができず、インプラント治療を受けたことを後悔する方もおられます。
インプラントは一度埋入すると撤去しない限りは動かすことはできず、矯正治療を行なっても埋入した箇所から動くことはありません。将来的に矯正治療を行う予定がある方は、インプラント治療を行うタイミングについてよく考える必要があります。
当院でインプラント治療を行う場合は、患者様に矯正治療の予定の有無をお伺いするのはもちろんのこと、噛み合わせの診断など全顎的に判断し、将来的に矯正治療が必要になる可能性まで考慮した上で治療を行います。
ピンポイントに治療を行う箇所だけを診断するのでは無く、全顎的に噛み合わせなども加味した診断をしてくれる歯科医院を選ぶことが、インプラントで後悔しない、トラブルを起こさないためには重要です。
インプラント治療後に痛みが生じて、治療したことを後悔する方も多いように思います。
インプラント治療後の痛みは、『インプラント周囲炎』『上部構造の人工歯のトラブル』のどちらかが原因であることがほとんどです。
インプラント周囲炎については先述の通りで、歯茎から膿が出たり出血するほか、歯槽骨が溶けてインプラントがグラグラし始めるため、当然痛みも生じます。
上部構造の人工歯のトラブルですが、インプラントの人工歯は非常に硬い材料で作製されていることが多いです。しかし経年的に咬合力(咬む力)を受けることで、人工歯が割れる、欠ける、緩むなどのトラブルが生じることがあります。このような場合には、欠けた破片などがインプラントの周りの組織を刺激し、痛みが生じる場合があります。
天然歯と同じような審美的な見た目を実現できると言われているインプラントですが、インプラントを埋入する位置や角度によっては、審美性が低くなり後悔する原因になることがあります。
特に前歯のインプラントの場合、前歯は顎の骨が薄く埋入するポジションが非常にシビアになるため、少し前方に倒れた角度でインプラントを埋入してしまう場合があります。
前歯のインプラント治療を行う際には骨の再生療法(骨造成術)や歯茎の移植治療(結合組織移植)が必須になりますので、難易度は高くなります。
下顎の奥歯(第二小臼歯〜第二大臼歯)にインプラントを埋入する際には、下歯槽神経という神経との位置関係を常に把握して治療を行う必要があります。
またそのすぐそばには舌の感覚を司っている舌神経も走行しています。
下歯槽神経は下顎の骨の中を通っている神経で、第二小臼歯(5番)〜第二大臼歯(7番)の歯根のすぐそばを通過しています。
万が一、インプラントを埋入する際に下歯槽神経を傷つけてしまうと、下唇やオトガイ部の知覚鈍麻(感覚が鈍くなる症状)や痺れなどの症状が現れることがあります。
舌神経は第二大臼歯や親知らずの周囲の組織の中を走行しており、万が一ドリルなどで舌神経を傷つけてしまうと、舌半分の味覚や触覚の知覚鈍麻や痛みなどの症状が現れます。
このような事態を避けるためには、レントゲンやCTによって下歯槽神経の位置を正確に把握し、下歯槽神経に干渉しないようにインプラントを埋入する必要があり、歯科医師の技術が問われます。下歯槽神経との位置関係の問題により、奥歯のインプラント治療は難易度が高くなる場合が多いです。
また舌神経に関してはレントゲンには映らないので、歯科医師がきちんと解剖を理解していなければなりません。
インプラント治療を行う方は、しっかりとご自身の天然の歯と同じように噛めることを期待して治療を受けているかと思います。そんなインプラントの人工歯が簡単に破折してしまったり外れてしまうと、硬いものを食べたり思いっきり食事を楽しむことができなくなり、後悔してしまうでしょう。
インプラントの人工歯が破折したり外れてしまう原因としては、患者様の咬合力(噛む力)が強すぎることや、歯ぎしり・食いしばり癖があること、インプラントの埋入ポジションなどの問題、噛み合わせの調整がうまく行えていないなど、さまざまな理由が考えられます。
噛み合わせの調整は非常に繊細で歯科医師の技術と経験、知識が求められる領域です。このような人工歯の問題が起きた際に、同じ歯科医院で治療を続けても、何度も人工歯が破折してしまうようなこともあり得るため、思い切って他院に相談してみるのも良いかと思います。
インプラントは非常に難易度の高い治療です。外科処置を伴う治療のため、外科的な知見が必要になりますし、上部構造の人工歯がしっかりと機能するためには補綴や噛み合わせ治療の知見も必要です。
さらにインプラントを埋入する際に、骨が足りない場合は骨造成などの骨を足す治療が、歯茎の厚みが足りない場合は歯肉の移植の治療がそれぞれ必要になります。
患者様により満足していただくためには、機能性を高めるだけで無く、より自然な見た目になるように審美治療の知見やセンスも重要です。
こういったさまざまな領域の知識や経験をもつ歯科医師は数少なく、インプラント治療が本当に得意な歯科医師を見つけるのは難しい部分もあるかと思います。
ご判断の基準としては、以下のような部分を参考にすると良いかと思います。
ネット上の情報だけで、信頼できる歯科医院・歯科医師かどうかを判断するのは、現実的には難しい部分もあるでしょう。ご面倒かとは思いますが、しっかりとご自身でカウンセリングに訪れ、実際に担当の歯科医師と話をしてご判断していただくのが最良かと思います。
このページでは、インプラント治療で後悔してしまう原因や、後悔しないための歯科医院選びについてご説明しました。
インプラントで後悔する原因はさまざまですが、その中でも最も大きな原因の一つとしては、やはりインプラント周囲炎が挙げられます。インプラント周囲炎を発症すると、最悪の場合はインプラントが脱落してしまいます。長い治療期間と、安くない費用をかけたインプラントが脱落してしまっては、後悔するのも当然です。
このページでご紹介したもの以外にも、インプラント治療で後悔する原因はさまざまです。患者様ご自身に知識をつけていただくことも重要ですが、最終的にはインプラント治療の仕上がりは歯科医師の技術に委ねられるのが大部分です。そのため、インプラント治療で後悔しないためには、信頼できる歯科医院選びが重要となります。上述したような歯科医院選びのポイントを参考に、ぜひご自身で歯科医院のカウンセリングを受けて、信頼できる歯科医院を探してみてください。
当院では、インプラント治療の専門家である院長の福居が丁寧な診査・診断を行い、患者様お一人おひとりに最適な治療法をご提案しています。まずは無料カウンセリングにて、お悩みをご相談ください。経験豊富な院長が、患者様の状態や希望を詳しくお伺いした上で、最適な治療プランをご提案させていただきます。
福居 希(医学博士、口腔外科認定医)
大阪医科大学口腔外科で口腔外科認定医および医学博士を取得した。またアメリカのカリフォルニア大学(UCLA)のインプラント科へ留学し、インプラント治療を学んだ。
現在はフリーランス外科医として出張手術を行う傍ら、スタディーグループsurgical Implant Instituteを主宰し若手歯科医師を対象にインプラント外科を教える場の提供や講演会などでの発表をおこなっている。
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