24/10/09
「根管治療 vs 抜歯してインプラント」どちらを選ぶ?
大阪府枚方市の開業医の先生にご依頼いただき、出張手術に行ってきました。
・右下456骨造成術 (水平的垂直的GBR)
抜歯後、約半年以上経過後に患者様がインプラント治療を希望されたのですが、骨量が不足しているため骨造成術のご依頼を頂きました。
既存骨が少なく、インプラント埋入を同時にした場合の初期固定を得ることが困難だと判断したため、今回は骨造成術のみを先に行う治療計画になりました。
今回の骨欠損の形態が水平的、垂直的に骨吸収が著しかったのですが、右下3の遠心部と右下7近心部のアタッチメントロスが少なかったため、その2点を結ぶ高さまでは骨造成が可能だと判断しました。
垂直的な骨造成術を行うには吸収性メンブレンだと、粘膜などの圧力で押し潰される可能性が高いため、今回は非吸収性のメンブレンを使う計画を立てました。
また骨補填剤に関しては外側性の骨造成が必要となるため、骨誘導能のある補填剤を使用したいため今回は
MinerOssとBio-Ossを使う予定にしました。
水平的・垂直的な骨欠損を見られます。
右下3と右下7に縦切開を加えて、水平切開は歯槽頂切開ではなく減張切開が必要になるためやや唇側に切開を加えます。ただ角化歯肉が少ないため切開線はよく考えて設定する必要があります。
今回は骨造成量が多かったため、約半年間経過観察をしていただくようにお伝えいたしました。
骨補填剤:Bio-Oss (Xeno-graft)
Miner-Oss (FDBA Cortical)
メンブレン: 非吸収性のハニカムメンブレン(モリタ社)
術後の経過は良好で創部が開くこともありませんでした。垂直的な骨造成を行うと減張切開のが必要になるので、術後の痛みは出やすいですが、今回は投薬でコントロールできているとの事でした。またオトガイ孔の近くを減張切開しましたが、知覚鈍麻はなかったとのことです。
また、非吸収性のメンブレンの一番の偶発症はメンブレンの露出になります。
今後露出を起こさないか慎重に経過観察していただくように指示し、手術終了となりました。
万が一、術後に感染等のトラブルが発生した場合にはきちんと投薬やCT撮影などの指示をお伝え致しますので、ご安心ください。
創部の経過に問題なければ半年後にCTを撮影し、インプラント埋入のタイミングを検討します。
今後の骨造成量によってはインプラント埋入術と同時に再度GBRが必要になる可能性もあります。再度、インプラント埋入のシミュレーションを行い、治療計画を立てます。
福居 希(医学博士、口腔外科認定医)
大阪医科大学口腔外科で口腔外科認定医および医学博士を取得した。またアメリカのカリフォルニア大学(UCLA)のインプラント科へ留学し、インプラント治療を学んだ。
現在はフリーランス外科医として出張手術を行う傍ら、スタディーグループsurgical Implant Instituteを主宰し、若手歯科医師を対象にインプラント外科を教える場の提供や講演会などでの発表をおこなっている。
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