26/09/08
神経のない歯が痛い原因とは?根管治療で残せる歯・インプラントに移行すべき歯を奈良の専門医が解説
大阪府枚方市の開業医の先生にご依頼いただき、出張手術に行ってきました。
・右下456骨造成術 (水平的垂直的GBR)
抜歯後、約半年以上経過後に患者様がインプラント治療を希望されたのですが、骨量が不足しているため骨造成術のご依頼を頂きました。
既存骨が少なく、インプラント埋入を同時にした場合の初期固定を得ることが困難だと判断したため、今回は骨造成術のみを先に行う治療計画になりました。
今回の骨欠損の形態が水平的、垂直的に骨吸収が著しかったのですが、右下3の遠心部と右下7近心部のアタッチメントロスが少なかったため、その2点を結ぶ高さまでは骨造成が可能だと判断しました。
垂直的な骨造成術を行うには吸収性メンブレンだと、粘膜などの圧力で押し潰される可能性が高いため、今回は非吸収性のメンブレンを使う計画を立てました。
また骨補填剤に関しては外側性の骨造成が必要となるため、骨誘導能のある補填剤を使用したいため今回は
MinerOssとBio-Ossを使う予定にしました。


水平的・垂直的な骨欠損を見られます。

右下3と右下7に縦切開を加えて、水平切開は歯槽頂切開ではなく減張切開が必要になるためやや唇側に切開を加えます。ただ角化歯肉が少ないため切開線はよく考えて設定する必要があります。









今回は骨造成量が多かったため、約半年間経過観察をしていただくようにお伝えいたしました。
骨補填剤:Bio-Oss (Xeno-graft)
Miner-Oss (FDBA Cortical)
メンブレン: 非吸収性のハニカムメンブレン(モリタ社)
術後の経過は良好で創部が開くこともありませんでした。垂直的な骨造成を行うと減張切開のが必要になるので、術後の痛みは出やすいですが、今回は投薬でコントロールできているとの事でした。またオトガイ孔の近くを減張切開しましたが、知覚鈍麻はなかったとのことです。
また、非吸収性のメンブレンの一番の偶発症はメンブレンの露出になります。
今後露出を起こさないか慎重に経過観察していただくように指示し、手術終了となりました。
万が一、術後に感染等のトラブルが発生した場合にはきちんと投薬やCT撮影などの指示をお伝え致しますので、ご安心ください。
創部の経過に問題なければ半年後にCTを撮影し、インプラント埋入のタイミングを検討します。
今後の骨造成量によってはインプラント埋入術と同時に再度GBRが必要になる可能性もあります。再度、インプラント埋入のシミュレーションを行い、治療計画を立てます。
LOHASデンタルクリニック 院長
福居 希(医学博士/日本口腔外科学会 認定医)
2010年に朝日大学歯学部を卒業後、大阪医科大学附属病院 口腔外科学教室に入局。大学病院・総合病院で口腔外科医として研鑽を積み、2014年にはアメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)インプラント科へ留学しました。2017年に大阪医科大学大学院にて医学博士を取得し、顎骨の再生治療を研究テーマとしています。中国中央病院 歯科口腔外科 医長、北大阪ほうせんか病院 歯科口腔外科 部長を経て、2023年に地元・奈良西大寺にてLOHASデンタルクリニックを開業しました。現在は自院での診療に加え、他院からのご依頼による出張手術を担当。スタディーグループ「Surgical Implant Institute」を主宰し、若手歯科医師へインプラント外科の指導も行っています。
本記事は、LOHASデンタルクリニック院長・福居 希(医学博士/日本口腔外科学会 認定医)が執筆・監修しています。記事の内容は診療ガイドラインや学会発表等をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。
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