25/02/15
インプラントの失敗で後悔しない|失敗の原因と対策、医院選びのポイントを解説
元々銀歯が入っていた歯だったのですが、ある日突然銀歯が取れてしまい、かかりつけの歯医者ではもう歯が残せないので抜歯が必要だと診断された患者様でした。
取れてしまった奥歯を見てみると、根っこだけの状態になってしまっており、しかもその根にはまだたくさん虫歯が残っており、とても歯を残せる状態ではありませんでした。
歯の神経を取ってしまった歯は中で虫歯になっていても、痛みを感じるセンサーがなくなってしまっているので、気がつくと虫歯が進行してしまっていることがあります。また銀歯は虫歯になりやすいため、古い銀歯はその可能性が高くなってしまいます。
※当院では可能な限り歯を残した治療にも挑戦しておりますので、ご興味のある方はぜひご一読ください。
しかし、患者様はまだ20代とお若くて歯を抜歯してブリッジにすることに関してとても抵抗感がある様でした。
この患者様の問題点は歯を抜いてしまうと、骨が全然残っていないため、骨を作り治療(サイナスリフトやソケットリフト)をしなければなりません。
患者様のご都合もあり、再短期間での治療が必要だったため、抜歯と同時にインプラントを埋入する”抜歯即時埋入”と上顎奥歯の骨が不足している時に行う”サイナスリフト”を同時に行う選択肢を選び、できる限り治療期間を短くする計画を立てました。
本来であれば
⑴抜歯をして3ヶ月〜4ヶ月待つ
⑵骨が薄ければサイナスリフトをして6ヶ月ほど時間を置く
⑶サイナスリフトした骨が治れば、インプラントを埋入して4ヶ月〜5ヶ月で骨結合を待つ
⑷骨結合した後に歯を入れる
このように抜歯から歯が入るまで最大15ヶ月以上かかる可能性のある状態でしたが、様々なテクニックを組み合わせることで7ヶ月程度で治療を終えることができました。
①手術前の状態では歯は虫歯でほとんど原型がありませんでした。
②サイナスリフトをするための上顎の骨に窓を開けていきます。
③上顎洞の中に骨を足した後の画像です。
④抜歯を行いインプラントの埋入。
⑤術後3週間後の状態です。
⑥最終補綴物が入りました。
また、今回のことを教訓にインプラントの両隣の歯も虫歯になりにくいセラミックに交換し、今後他の歯が長持ちする様にと積極的に治療を受けてくださいました。
ここからはメインテナンスが大切になりますので、慎重に噛み合わせなども見てく予定にしています。
年代・性別 | 20代・女性 |
治療のリスク・副作用 | ・サイナスリフトの後には痛みと腫れが出ます。 ・手術後に短期間鼻血が出ることがあります。 ・上顎洞炎になる可能性もあります。 ・インプラント治療後のメインテナンスを怠るとインプラント周囲炎になる可能性があるので、定期的に歯科医院で口腔ケアが必要になります。 |
治療期間 | 約7ヶ月 |
治療費用 | 総額:69万円(税込み) 内訳: ・インプラント治療:44万円(税込み)×1本 ・骨造成術:25万円(税込み)×1本 |
今回の患者様のように抜歯前から計画的に治療計画を立てることで15ヶ月以上かかる可能性のあった治療でも半分の7ヶ月程度で最後の上部構造物を入れることができます。
これは色々な治療オプションとしてのテクニックを持っているからこそ実現可能な方法になります。
抜歯の必要があると診断されたことがある方でも、インプラント治療はできますので是非諦めずにお問い合わせいただければと思います。
福居 希(医学博士、口腔外科認定医)
大阪医科大学口腔外科で口腔外科認定医および医学博士を取得した。またアメリカのカリフォルニア大学(UCLA)のインプラント科へ留学し、インプラント治療を学んだ。
現在はフリーランス外科医として出張手術を行う傍ら、スタディーグループsurgical Implant Instituteを主宰し若手歯科医師を対象にインプラント外科を教える場の提供や講演会などでの発表をおこなっている。
ご予約・お問い合わせ0742-93-8363
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
09:00〜18:00 | ● | ● | ● | - | ● | ● | - |
【休診日】木曜・日曜・祝日
(※土曜にセミナーがある週は木曜に振替診療します)
※最終受付は30分前となります。
近鉄奈良線、京都線・橿原線
大和西大寺駅下車 北口より徒歩3分