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コラム

入れ歯とインプラント治療の違いは?併用する治療法や費用についても解説

入れ歯とインプラント治療の違いは?併用する治療法や費用についても解説

『入れ歯が嫌なんだけれどもインプラントも怖いです』
『インプラントと入れ歯、どちらで治療するのが良いのでしょう?』
『何回入れ歯を作っても痛くて使えません』

患者様達によく聞かれる質問で、みなさんが気になっているところになると思います。

歯を失った際には、入れ歯やインプラントが治療の選択肢になります。

それぞれ異なるメリットやデメリットがあるため、どちらを選ぶべきかわからないという方は多いのではないでしょうか。

そこでこのページでは、インプラントと入れ歯の違いや治療にかかる期間と費用、それぞれを併用した治療について、インプラント治療を専門としている奈良県のLOHASデンタルクリニック院長の福居が解説します。

インプラントと入れ歯の違いは?

インプラントと入れ歯は全く異なる治療ですので、違う点はたくさん挙げられますが、患者様によくご質問される中で特に気にされている4つの違いを以下でご紹介します。

  1. 外科手術の有無
  2. 治療費用の差(入れ歯は保険適用が可能)
  3. 治療にかかる期間
  4. 治療後のお手入れや注意点

以下でそれぞれご説明します。

①外科手術の有無

①外科手術の有無

インプラント治療を行うためには、チタン性のネジ(インプラント体、フィクスチャー)を埋め込む必要があるので、最低1回は外科処置が必要になります。

インプラント治療と比べて、義歯治療は手術をせずに、歯がない部分を型取りをして義歯を作成するので、外科手術は伴いません。

②治療費用の差(入れ歯は保険適用が可能)

日本の健康保険制度においては、インプラント治療は先天的な疾患や癌などの特殊な場合を除いては保険適応にはなりません。

一方、義歯に関しては健康保険内で作成できるものから、健康保険では作成できない金属床など様々なタイプのものがあります。

健康保険で作成される義歯は患者様の年齢などによって負担額が変わりますが、比較的安価で3割負担の方で10,000円〜15,000円くらいで作ることができます。

健康保険では作れない義歯に関しては値段の幅が大きく15万円〜50万円のものが多いようです。

③治療にかかる期間

③治療にかかる期間

インプラント治療は比較的治療期間が長くなりやすい傾向にあり、インプラント体とご自身の体の骨が結合するための時間が必ず必要になります。

骨も十分あるような状態であれば2ヶ月ほどで歯が入ることもあります。

しかし、患者様によってはすでに骨が少なくなってしまっているなど様々な状況があるため、その状態に伴って手術の難易度や治療期間が変わってしまいます。長い場合だと抜歯からインプラント治療が終わるまでに、半年以上かかる事もよくあります。

一方、義歯を作成するためには、型取りや噛み合わせの確認など様々なステップがあるため、1ヶ月ほどはかかることが多いです。

自費の義歯であっても1ヶ月から2ヶ月ほどで出来上がります。

④治療後のお手入れや注意点

インプラント治療も入れ歯治療もお手入れは欠かせません。

特にインプラント治療においては、きちんとしたメインテナンスを行わないと、インプラント周囲が歯周病(インプラント周囲炎と呼びます)になってしまいます。ですので、きちんと歯磨きができている方であっても3ヶ月〜6ヶ月ごとに歯科医院でのプロフェッショナルケアが必要になります。

注意点としては、ほぼご自身の歯と同様にお使いいただけますが、歯の素材によっては欠けてしまう・すり減ってしまうという特徴がございます。

ですので、治療が終わった後もマウスピースを装着し、ご自身の歯とインプラントを守っていくことが推奨されています。

入れ歯のお手入れに関しては、残っている歯のメインテナンスと入れ歯の清掃は欠かせません。特に入れ歯を支えている歯には負担が掛かりやすく、入れ歯の支えの歯(鉤歯)は特に虫歯や歯周病になりやすいという事は研究で証明されているので、メインテナンスは重要になります。

また総入れ歯の方であっても、入れ歯やお口の中が不衛生になるとむせてしまった時に入れ歯に付着した細菌を誤嚥してしまい、肺炎(誤嚥性肺炎)になってしまうとも言われています。

ですので、入れ歯も定期的に外して、清掃や洗浄剤に漬けることが推奨されています。

注意点は必ず取り外しが必要なため、無くしてしまうことがあります。特に震災時などは入れ歯を置き忘れてしまうことなどがあるため、気を付けてください。

入れ歯とは

入れ歯とは

入れ歯とは専門用語では「義歯」と呼ばれ、「義手」や「義足」と同じで、失われた身体の一部を補うための道具になります。

部分的な歯の欠損には部分床義歯を、全部歯がない方には全部床義歯を用いて、より患者様が食べやすいように作製します。ご自身で取り外しが必要な装置です。

あくまでも”道具”なので、ご自身で使いこなすためには練習をして慣れる必要がありますが、大きな装置が口腔内に入るので、苦手な方も中にはいらっしゃいます。

保険の入れ歯と自費の入れ歯の違い

保険の入れ歯と自費の入れ歯には、さまざまな違いがあります。主な違いは以下の4点です。

  1. 素材や構造による違い
  2. 入れ歯の寿命の違い
  3. 味の感じ方や話しやすさ、違和感の有無の違い
  4. 保険と自費の費用の違い

以下でそれぞれご説明します。

①素材や構造による違い

①素材や構造による違い

健康保険で作られる入れ歯の素材はプラスチック製(厳密にはレジン製)になります。自費の入れ歯はチタンなどの金属を用いたものが多くなります。

金属はプラスチックよりも丈夫であるため、薄くすることが可能になります。そのため入れ歯自体の厚みが薄くなるので、お口の中での違和感が軽減されます。また金属は、プラスチックと比較して熱の伝わりが良いので、温かいものや冷たいものを食事した時の温度が伝わりやすくなります。

また入れ歯の歯の部分の素材にも様々な材料があります。

健康保険の入れ歯の歯の部分もプラスチック製なので、長年使用していると歯の部分がどんどん削れていってしまい、噛み合わせが変わってしまいます。

自費の入れ歯であれば、その素材にも選択肢があるので、患者様のご希望や噛み合わせに合わせて作成することができます。

②入れ歯の寿命の違い

入れ歯の寿命に関しては、その患者様の入れ歯の扱い方や噛み合わせの力にも左右されますが、一般的には健康保険のものの方が短いと言われています。健康保険の入れ歯で5年程度、自費の入れ歯であれば10年以上と言われています。

この寿命の違いに一番関わっているのは素材の違いによる強度が最も関係しています。

健康保険の入れ歯で一般的に使われる素材はプラスチック製になりますが、プラスチックは使用している間に、唾液や水分を吸収してしまうので、徐々に劣化してしまいます。自費の入れ歯では金属を使う部分が多く、金属ではこのようなことは起きないので、長持ちしやすいです。

ただ、一つ要注意なのが、自費の入れ歯の一種であるノンクラスプ義歯に関しては軟性レジンと呼ばれるシリコン製の義歯になるので、金属床義歯ほどの寿命はありません。

③味の感じ方や話しやすさ、違和感の有無の違い

③味の感じ方や話しやすさ、違和感の有無の違い

違和感や味の感じやすさ、話しやすさに関しては入れ歯の厚みが大きく関係します。

前述したように保険診療で作られるプラスチック製の入れ歯は強度的な不安があるため、厚みを大きくして破損しずらい入れ歯にする必要があるため、一定の厚みが必要になります。

その結果、口腔内での違和感は大きくなり、舌のスペースが狭くなってしまうことから話しづらく感じられる方もいらっしゃるようです。

逆に自費診療で使われる金属製の入れ歯は強度が担保されているため、薄くできるので、違和感は比較的抑えることができます。また舌のためのスペースもきちんと確保されます。

温度の伝わり方がプラスチックと比較して良いため、味も感じやすく思われる方もいらっしゃいます。

④保険と自費の費用の違い

健康保険で作製される入れ歯は、義歯の設計や型取りのための材料などある程度の制限があるため、限界があります。厚みに関してもそこまで薄くする事はできないので、使いづらく感じる方も居るかもしれません。

一方、自費の入れ歯に関してはできる限り精密な型取りをするためにシリコンを用いられることが多いため、精度の高い入れ歯ができます。見た目や機能面にこだわりたい方は自費の入れ歯の方がおすすめです。

インプラントとは

インプラントとは

インプラントとは失われた歯の代わりにチタン製のネジを顎の骨に植え込んで、歯の代わりとする治療法になります。

一般的には入れ歯と違って、固定式の歯になります。一部、入れ歯とインプラントを併用した治療法もあります。

入れ歯は歯茎に乗っているだけの装置なので、入れ歯を使って何でもバリバリ食べることには限界がある場合も多いです。そのため、入れ歯からインプラントへの切り替えを検討される方もよくいらっしゃます。

入れ歯からインプラントに切り替えるメリット

①しっかり噛めて安定している

①しっかり噛めて安定している

インプラントは顎の骨に直接埋め込むため、歯茎の上に乗っている入れ歯と比較すると、格段に噛みやすくなります。入れ歯のような不安定さや、食事の内容によっては食べにくいということが起きにくい治療ががインプラントになります。

入れ歯ではお肉や硬いものを諦めていた方もインプラントにすることで何でも食べられるようになったとおっしゃる方が多いです。

②周囲の歯に負担をかけない

特に部分入れ歯は残っている歯に維持装置を引っ掛けて安定させるため、噛む力や入れ歯に加わる力は支えている歯に直接負担が掛かってしまいます。

インプラントは入れ歯やブリッジと違い、単独で歯を付けることができるため、周りの歯に負担をかけることがありません。

特に噛み合わせの力が強い方には、インプラントはおすすめです。

③取り外しが不要

入れ歯が毛嫌いされる大きな理由の一つとして、取り外しが煩わしいことにあります。

特に外食をされている時に入れ歯の下に食べカスが入ったりすると、わざわざお手洗いに行って入れ歯を洗う必要があるなど、手入れが大変になります。

義歯に比べてインプラントは固定式のため、基本的には装着したままなので人前でもインプラントが入っていると気付かれることがかなり少ないです。

また自宅でも外して払う必要がないので、ご自身の歯と同様に歯磨きを行うだけで良くなります。

④自然な見た目で違和感が少ない

部分的な入れ歯の場合は維持する歯にフックを掛けて安定させる必要があるため、前歯にフックが付くと、笑った時に見えてしまいます。

私の亡くなった祖父も前歯に銀色がついてるなと思っていたら、入れ歯が入っていたようです。このように部位によってはかなり目立ってしまいます。

義歯と比較すると、インプラントにはそのようなフックがないため、違和感が少なく審美的な結果が得やすくなります。

入れ歯からインプラントに切り替えるデメリット

入れ歯からインプラントに切り替えることには、デメリットもあります。

  1. 複数歯を治療する場合は治療費用が高額になる
  2. インプラント周囲炎のリスクがある

以下でそれぞれご説明します。

①複数歯を治療する場合は治療費用が高額になる

①複数歯を治療する場合は治療費用が高額になる

インプラントが1本だけであれば30万円から40万円ほどが相場ですが、入れ歯からの切り替えとなると複数本のインプラントが必要な可能性があります。

そのため、本数が多くなると治療費用が高くなってしまいます。

②インプラント周囲炎のリスクがある

インプラントはしっかりと日々の清掃ができていなければ、歯周病とよく似たインプラント周囲炎という状態になることがあります。インプラント周囲炎が進行すると、最悪の場合はインプラントが抜けてしまうこともあります。

前述したようにインプラントも無敵の治療ではないため、きちんと寿命を保たすためには定期的なメインテナンスは欠かせません。少なくとも半年に1回の定期受診が勧められています。

インプラントオーバーデンチャー(インプラントと入れ歯の併用)

それでは、総入れ歯の患者様がインプラント治療を受けようとすると、元々歯のあった本数のインプラントが必要なのでしょうか。

今ではインプラントも改良されており、入れ歯とインプラントを併用する治療法があります。この治療法を「インプラントオーバーデンチャー」と呼びます。

インプラントオーバーデンチャー(インプラントと入れ歯の併用)

上顎と下顎では骨の性質が異なり、上顎はスポンジ状の柔らかい骨が多く、下顎は硬い骨が多くなります。このため、上顎では最低4本のインプラント。下顎では2本のインプラントを用いて、総入れ歯を支えることができます。

このインプラントオーバーデンチャーはご自身で入れ歯の取り外しは必要ですが、様々なアタッチメントを用いることで食事中などに簡単に外れることはないため、治療費用を抑えながら、インプラント治療を行うことができます。

特に上顎と下顎を比較すると、下顎の入れ歯が安定しないことが一般的には多いため、上顎は従来通りの総義歯を使い、下顎にだけ最小限のインプラント2本を使ってインプラントオーバーデンチャーを行うとかなり入れ歯は安定します。

この方法以外に、完全固定式で治療を行う方法もございます。

その場合はオーバーデンチャーよりもインプラントの本数が必要なため治療費は掛かりますが、ご自身で取り外しをする不便さはありませんので、ご興味のある方は是非一度ご検討ください。

実際に当院でインプラントオーバーデンチャーを行った症例

こちらは、古い入れ歯が合わず、食事がきちんと取れていなかったので、新しい入れ歯とインプラントを併用して噛み合わせを回復した症例です。

患者様は上顎は総入れ歯、下顎は部分入れ歯だったのですが、支えにしていた歯が揺れ始めてしまい噛めなくなってしまったのでお困りになって来院されました。

レントゲンやCTで残っている歯を確認すると、すべて保存できるような状態ではなく、抜歯を余儀なくされました。そこで残せない歯を抜歯して、暫間的に上下ともに総入れ歯を装着していただいたのですが、やはり下の入れ歯が食事や会話中に動いてしまい、食べたいものが食べられないとのことで、下顎にのみ最小限のインプラント2本を使った治療(インプラントオーバーデンチャー)を行うことになりました。

元々お食事に困られて来てくださった患者様でしたが、今では「お漬物でもなんでも食べられる」とおっしゃってくださり、大変喜んでいただけました。

こちらの症例について、より詳しくご覧になりたい場合は、以下からご覧いただけます。

まとめ:インプラント・入れ歯のお悩みは当院まで

一言に入れ歯やインプラントと言っても、その患者様の噛み合わせや残っている歯の状態、どのような治療結果を得たいかによって治療方法は千差万別です。

例えば、患者様がお肉でも硬いものでも何でも食べられるようになりたいというご希望であれば固定式のインプラント治療の方が良いですし、普通のお食事が食べられればご満足いただけるようであれば、オーバーデンチャーでも十分にご期待に答える事はできると思います。

入れ歯治療もとても素晴らしい治療法の一つですが、残念ながら入れ歯治療には限界があります。入れ歯を何回も作り直しても上手くいかない方は、もしかすると入れ歯の限界を迎え、インプラントを併用した治療計画を考えた方が良い可能性もあります。

このように入れ歯を併用するインプラント治療は歯が1本無くなってしまった場合と比べると、かなり難易度も高くなるため、是非インプラントの専門クリニックである当院へご相談いただければと思います。

どのような治療のゴールが患者様にとって本当に必要なのかを一緒に探しましょう。

監修者情報

福居 希(医学博士、口腔外科認定医)
大阪医科大学口腔外科で口腔外科認定医および医学博士を取得した。またアメリカのカリフォルニア大学(UCLA)のインプラント科へ留学し、インプラント治療を学んだ。
現在はフリーランス外科医として出張手術を行う傍ら、スタディーグループsurgical Implant Instituteを主宰し若手歯科医師を対象にインプラント外科を教える場の提供や講演会などでの発表をおこなっている。

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