24/10/09
「根管治療 vs 抜歯してインプラント」どちらを選ぶ?
今までのコラム①〜③では”虫歯”が原因で歯の抜歯が必要になった場合の治療法についてご説明をしていきました。。
本日のコラムでは”歯周病”で骨が溶けてしまった場合に歯を救うために行う「歯周再生療法」のご紹介をしていきます。
目次
日本人が歯を失う原因の第1位である「歯周病」。
2001年には”全世界で最も蔓延している病気”としてギネス記録にも登録されています。
このように日本だけでなく世界中に歯周病治療が必要な患者様がいらっしゃいます。
この歯周病の厄介なところは「サイレントディジーズ (静かなる病気)」と呼ばれており、気がつかないうちに歯周病は進行しており、症状(痛みや腫れ)が出たときには既に手遅れになっていることがあるという点にあります。ですので、定期的に歯周病検査やレントゲンのチェックを受けていただくことで、歯周病がないかのを確認する必要があります。
この術式は基本的な歯周病治療を受けていただいたにも関わらず改善しないような骨の欠損などがあるときに用いたられる治療法になります。
重要な点はご自身の歯ブラシなどの基礎的なことができていないとなかなか効果の出ない治療法になります。
歯に歯石が残ったままであれば骨が回復することはないので、きちんと歯石の除去やその周りに付着している感染した不良肉芽の除去を行います。
骨の中に不良肉芽が残っていると骨の再生は得られませんので、きちんと掻爬を行い骨の面を綺麗にしていきます。
骨面が綺麗にできれば骨補填剤(骨になる材料)や治癒を促進する液状の成長因子(エムドゲインやリグロスが日本では有名です)、また吸収されるコラーゲンでできた人工膜などを用いて、骨の再生を図ります。
患者様のお口の中の状況によってどの材料を使うかは個人差があります。
歯肉がしっかりと落ち着き、人工の骨が安定してご自身の骨と馴染むまで経過観察を行います。
歯肉や周りの骨の組織の安定が確認されれば、歯の土台を作成し、最後にセラミックの被せ物をセットしておしまいです。
注意点や適応しない歯もありますので、注意してください。
手術で補填した骨が生着せず、骨の欠損が改善されないこともあります。
骨の再生にも限界があり、全体的に下がってしまった骨の再生は特に難しい場合があります。逆に部分的に深く骨が吸収してしまっている場合の方がより成功率が高くなります。
歯茎をめくって、周囲の骨を整えるなどの外科処置が必要になるので、術後に痛みや軽度の出血、腫脹などが予想されます。外科処置が含まれるため、患者様の全身状態や飲まれているお薬の内容によってリスクが高くなる可能性もあります。
このように部分的に歯周病が進行してしまい抜歯が必要になった場合でも、上手くいけば歯を保存できる可能性は残されています。
インプラントももちろん良い治療法ですが、天然の歯に勝るものはないので、良い状態で歯が保存できるようであれば残した上で治療計画を立てられればと思っております。
もしも、抜歯でお悩みの方は1人で悩まずに、無料相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
福居 希(医学博士、口腔外科認定医)
大阪医科大学口腔外科で口腔外科認定医および医学博士を取得した。またアメリカのカリフォルニア大学(UCLA)のインプラント科へ留学し、インプラント治療を学んだ。
現在はフリーランス外科医として出張手術を行う傍ら、スタディーグループsurgical Implant Instituteを主宰し若手歯科医師を対象にインプラント外科を教える場の提供や講演会などでの発表をおこなっている。
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