26/09/08
神経のない歯が痛い原因とは?根管治療で残せる歯・インプラントに移行すべき歯を奈良の専門医が解説
歯科医師の先輩から連絡があり、インプラント体が2次手術時に上顎洞内に迷入したため、除去してほしいとの依頼を受けました。
インプラント埋入術の際に、ソケットリフトで上顎洞内に骨造成を行い、インプラント埋入を行ったとの事でした。半年間の待時期間後に2次手術を行い、カバースクリューを取ろうとしたところ、インプラント体がオッセオインテグレーションしておらず、一緒に回転してしまい、そのまま上顎洞内に迷入してしまったようです。


迷入インプラント体の除去のために近くの口腔外科病院へ紹介したところ、耳鼻科での手術を勧められ、耳鼻科では全身麻酔下でのインプラント除去術しかないと説明されたそうです。
不審に思った患者様と担当先生よりご依頼をいただき、局所麻酔下で犬歯窩からのアプローチで上顎洞迷入インプラント撤去術を計画しました。
上顎洞内に感染があると粘膜の炎症や排膿などによってインプラントの発見が困難となるため、術前から投薬をしていただき、手術に臨みました。
手術は局所麻酔下で歯肉を切開し、犬歯窩からアプローチし、上顎洞粘膜を切開し、上顎洞内を洗浄、探索し摘出いたしました。手術は約30分で終了し、術後の患者様への投薬や洗浄方法などを担当医様へお伝えしました。

術後の経過は良好で、口腔上顎洞瘻孔を形成することなく粘膜は閉鎖し、CT画像状でも上顎洞炎も完治し、創部の経過も良好で終了となりました。

このように全身麻酔を勧められていた患者様を低侵襲で短期間で治療ができたことで喜んでくださり、患者様と担当医様の信頼関係も崩す事なく終えられたので、私もとても満足でした。
インプラントに関するアグレッシブな手術を行うと、やはり今回のような手術トラブルも出てきます。
このような時に大学病院等へ紹介するなどの大掛かりな事態にならず、解決できれば患者様との関係も悪化する事はないと思います。
お困りの際にはお声がけいただければ幸いです。
LOHASデンタルクリニック 院長
福居 希(医学博士/日本口腔外科学会 認定医)
2010年に朝日大学歯学部を卒業後、大阪医科大学附属病院 口腔外科学教室に入局。大学病院・総合病院で口腔外科医として研鑽を積み、2014年にはアメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)インプラント科へ留学しました。2017年に大阪医科大学大学院にて医学博士を取得し、顎骨の再生治療を研究テーマとしています。中国中央病院 歯科口腔外科 医長、北大阪ほうせんか病院 歯科口腔外科 部長を経て、2023年に地元・奈良西大寺にてLOHASデンタルクリニックを開業しました。現在は自院での診療に加え、他院からのご依頼による出張手術を担当。スタディーグループ「Surgical Implant Institute」を主宰し、若手歯科医師へインプラント外科の指導も行っています。
本記事は、LOHASデンタルクリニック院長・福居 希(医学博士/日本口腔外科学会 認定医)が執筆・監修しています。記事の内容は診療ガイドラインや学会発表等をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。
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