24/12/07
インプラントかブリッジか迷ったら?費用やメリット・デメリットを徹底比較
ある日、ご飯を食べていると
「(ガリっ)ん?歯が取れた?!」
と口の中に違和感を感じて手に取ってみると差し歯が取れてる…
そんなに硬いものを食べていた訳ではないのになと思いつつ、取れた差し歯をもう一度付けてもらおうと歯医者に持っていくと、
「この歯は虫歯が酷いのでもう差し歯を戻すことができませんね、抜歯が必要になると思います。」と言われたあなた。
まさか抜歯になるなんて思っておらず、少しパニックになりつつ次回の抜歯の予約を受付で取って帰ります。
「本当に抜かないとダメなのかな?」
「違う歯医者に行ってみようかな」など
色々と考えながらも、予約して帰ってきたし、今までの歯医者から新しい歯医者を探すのも面倒だし…と色々と悩まれると思います。
今日はそのようなお悩みの患者様に歯を残すチャンスのある治療法をご紹介できればと思います。この方法が全ての患者様に使える訳ではありませんので、ご注意ください。
目次
”挺出法”または”Extrusion (エクストルージョン)”など様々な名称で呼ばれることがあります。
この方法はその歯だけを部分矯正をして、歯茎の上まで引き上げることで再度被せ物を入れられる状態にする治療法になります。
両隣に支えになる歯があるようであれば、この歯の間にワイヤーを橋渡しにして、まず引き上げるための固定源を作ります。引っ張り上げる歯にはフックを接着し、安定した固定源に対して矯正用のゴムを使ってこの歯を引っ張り上げる方法を歯の挺出法と呼びます。
被せ物が取れて歯が歯茎よりも下にあり虫歯になっている状態であれば、まずきちんと虫歯を除去していきます。歯にヒビが入ったり、割れたりしていないかを徹底的に確認し、レントゲン写真でも保存可能な状態であることを確認していきます。
歯茎よりも上に健康な歯が2mm程度なければきちんと被せ物を装着することはできないので、その位置まで引き上げる計画を立てます。
保存可能であることが確認できれば、牽引の準備をしていきます。両隣の歯にワイヤーを渡して、固定源を作り、歯にはフックを接着していきます。そして矯正用のゴムを用いて徐々に引き上げていきます。
ゴムの交換は一週間に1回ずつ交換していき、弱い力で徐々に引き上げていきます。この間にワイヤーが外れたり、ゴムが切れてしまうこともあるので要注意ですが、普通にお食事は取っていただけます。
想定していた位置まで歯が移動してきたら、レントゲン撮影を行い確認を行います。また、このまますぐに次の治療に入ると後戻りを起こすので、しばらくこの状態で固定します。
歯を引き上げるとともに周りの骨も一緒に引き上げられてしまうこともあるので、その場合は少し周りの骨を整える処置を行います。そして歯茎が落ち着けば、被せ物を作る準備をしていきます。
歯を予定したい位置まで引き上げて、保定期間も過ぎればいよいよ被せ物する準備をしていきます。
歯の中の神経の処置が必要であれば、先に行います。そして歯の土台を作成し、最後にセラミックの被せ物をセットしておしまいです。
このように歯を引き上げることで、治療ができる状態に戻すことができる素晴らしい治療法ですが、注意点や適応しない歯もありますので、注意してください。
矯正力をかけて歯を動かすには、”歯根膜”と呼ばれる歯の周りを取り囲んでいる繊維がとても重要になります。ただ、高齢になるに従ってこの歯根膜が萎縮してしまい、薄くなることもあるので、この歯根膜がなくなってしまうと歯の挺出ができないこともあります。
虫歯を徹底的に除去して、根を引き上げる治療法になるので、相対的に根の長さが短くなり、歯の頭が大きな状態になります。この歯冠と歯根の比率が極端に悪くなると根が支え切れないことになるので、慎重な治療計画が必要になります。
根の解剖学的な状況などによって、複数の根がある歯では歯の股の部分まで引き上げてしまうと、その部分は歯周病が進行しやすくなってしまう可能性があるため、引き上げる距離は歯の状態や形によって限界が決まります。
このように深い虫歯で抜歯が必要になった場合でも、上手くいけば歯を保存できる可能性は残されています。
インプラントももちろん良い治療法ですが、天然の歯に勝るものはないので、良い状態で歯が保存できるようであれば残した上で治療計画を立てられればと思っております。
もしも、抜歯でお悩みの方は1人で悩まずに、無料相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
福居 希(医学博士、口腔外科認定医)
大阪医科大学口腔外科で口腔外科認定医および医学博士を取得した。またアメリカのカリフォルニア大学(UCLA)のインプラント科へ留学し、インプラント治療を学んだ。
現在はフリーランス外科医として出張手術を行う傍ら、スタディーグループsurgical Implant Instituteを主宰し若手歯科医師を対象にインプラント外科を教える場の提供や講演会などでの発表をおこなっている。
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