24/11/19
入れ歯とインプラント治療の違いは?併用する治療法や費用についても解説
よく一般の方からの質問で
「骨が足りないからインプラントができないって言われたんですが、どう思いますか?」
と聞かれることがあります。
今日はそのご質問にお答えしていこうと思います。
日本にインプラントが導入されて約40年、インプラント本体やインプラント治療に必要なその他の材料も年々改良されており、新しい材料がどんどん販売されています。
そして現在、世界中にあるインプラントのメーカーは世界中では100社を超えると言われています。
インプラントのサイズは
とインプラントメーカーによって様々な商品があります。
一昔前は、インプラントの表面の性能があまり良くなかったので、できる限り長いインプラントを使うことを推奨されていました。
(長いネジの方が固定力が強いイメージ湧きますよね?)
しかし現在では表面の性能が改良された事で
骨とインプラントが引っ付きやすくなり
「短いインプラントでも長いインプラントと差がなく使うことができる」
という研究結果も出てきています。
「どのサイズのインプラントをどのような患者様に使用するか?」
が重要な点となります。
患者様のお口の中の環境や年齢、お体の状態などは千差万別なので、その患者様に合ったインプラントを選ぶことが大切です。
インプラントを入れる骨の中には様々な血管や神経などの組織や構造があり、これらを傷つけずにインプラント治療を行うには、短くて細いインプラントを使う事でそのリスクを避けることができます。
しかし人の咬む力はご自身の体重程度の力があり、それらを支えるにもある程度のインプラントの長さや太さが必要です。
そこでインプラントの選択を誤ると、インプラント自体が折れてしまうなどのトラブルになる場合があります。
細くて短いインプラントだけで治療を進めるのではなく
上記インプラントを用いること私はお勧めしております。
上記サイズのインプラントを使用したくても、患者様の骨の幅や高さが不足している事がよくあります。
特に年配の方で長期間入れ歯をお使いの方は骨が不足していることが多いです。
ではその場合、インプラント治療はできないのでしょうか??
患者様のご年齢やお身体の状態、生活背景に合わせてインプラントの本数やサイズ、治療プランを考える必要があります。
若くして歯を失ってしまった方にはある程度の長さと太さのインプラントをお勧めしており、
骨が足りない部分には骨造成術と呼ばれる骨を作る処置を同時にさせて頂くご提案をする事が多いです。
逆に高齢者で負担を減らしたいとお考えであれば、入れ歯をインプラントで支えるような治療
(インプラントオーバーデンチャー)もご提案させて頂いております。
昔はアゴの骨が足りない時は腰から骨を取ってくるなど、お体の負担が大きな処置が必要でしたが、今では人工的な材料がかなり開発されており、長期間の安全性が保証されています。
安心して使うことができ、患者様の負担も最小限に抑えることができます。
しかし、外科知識と技術をきちんと理解して使用しないと新しい骨を作ることはできない為、経験豊富な医院で処置をして頂く事をお勧めします。
またインプラントは骨が歯茎にしっかり覆われていることが成功の秘訣です。
アジア系の人種の方は海外の方と比較すると歯茎は薄い傾向にあり、歯茎が薄くて弱い方は厚みを増やす処置(歯肉移植術)も行うこともあります。
このように全ての患者様に最適なインプラント治療を行うにも、きちんとした治療プランとより高度な技術が必要となります。
骨造成術や歯肉移植術などの技術があってこそ、長期間使えるインプラントをご提供する事が可能となります。
インプラントは治療費が高額だからこそ、患者様に一生使って頂ける努力をする必要があります。
もしも骨が不足していることなどが原因で治療を断られたり、悩まれている方はご相談頂けるとお力になれると思います。
福居 希(医学博士、口腔外科認定医)
大阪医科大学口腔外科で口腔外科認定医および医学博士を取得した。またアメリカのカリフォルニア大学(UCLA)のインプラント科へ留学し、インプラント治療を学んだ。
現在はフリーランス外科医として出張手術を行う傍ら、スタディーグループsurgical Implant Instituteを主宰し、若手歯科医師を対象にインプラント外科を教える場の提供や講演会などでの発表をおこなっている。
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