26/05/15
差し歯があってもホワイトニングはできる?正しい知識と、口元をきれいにする方法を解説
インプラントコラム

「前歯を抜くことになったけれど、歯がない期間ができるのが怖い」「抜歯したその日に仮歯を入れてもらえるのだろうか」
前歯の抜歯を控えている方にとって、見た目の問題は切実です。
結論から言うと、前歯の抜歯後にすぐ仮歯を入れることは可能です。ただし、仮歯の種類や装着方法にはいくつかの選択肢があり、どの方法が適しているかはお口の状態や今後の治療計画によって異なります。
本記事では、前歯の抜歯後すぐに仮歯を入れる方法とその条件、仮歯の種類ごとの見た目や費用の違い、そしてその後の治療の選び方まで、奈良県のインプラント専門院・LOHASデンタルクリニック院長の福居が詳しく解説します。
目次
前歯の抜歯が必要になった時、患者様に一番聞かれる質問があります。
それは
「歯が無いままになりますか?」
です。
患者様にとっては前歯が無い期間があるということは非常に耐え難く、受け入れられることができない状態になります。
また第三者から見ても前歯がないことはとても気が付きやすく、患者様は日常生活が送りづらくなります。

もちろん前歯は、見た目以外にも発音や食事などのすべてに直結するため、抜歯後に歯がない状態をいかに防止するかは、我々歯科医師の考え方次第になります。

当院では前歯がない状態で患者様に帰っていただくことはないのですが、状態によっては仮歯を作りづらい場合もございます。
仮歯が作りやすいかどうかの基準としては
①抜歯が必要な歯の本数
②抜歯が必要な歯の隣の歯の状態
が大切になります。
それぞれを細かく解説します。
①歯の本数が多い場合は、仮歯では安定しないので、一時的に入れ歯を作製し、着脱式の入れ歯で抜歯部位を補う事もあります。歯の抜歯の本数が4本を超える場合には入れ歯の方が良い場合があります。
②抜歯をする両隣の歯にすでに被せ物が入れてある場合は、その両隣の歯を使って、ブリッジタイプの仮歯を付ける事ができると、安定させる事ができます。
この①②のそれぞれの状況に合わせてできる限り安定した仮歯を作製できるよう当院ではご提案をしております。
ですので、仮歯が入らないケースはないですが、仮歯では対応が困難で、入れ歯になる場合もあります。
「前歯なのに仮歯を入れてもらえなかった」というお声がある事も事実です。
特に健康保険の治療の場合は、仮歯をいれない歯科医院もあるようです。
仮歯をつけていなければ、歯茎の状態も変わってしまうので、仮歯がないことはお勧めできないので、一度担当の先生に仮歯を入れてもらえないかを聞いてみても良いと思います。
それでも頑なに仮歯を作ってもらえない時には、他の歯科医院の先生に相談する”セカンドオピニオン”という制度を利用していただくのも一つの選択肢になります。
クリニックによっては仮歯に別途費用がかかる医院もありますので、事前にご確認ください。

前歯の抜歯後に使われる仮歯にはいくつかの種類があり、当院でも患者様の状態によって使い分けをしています。
上記でお伝えしたように①抜歯になる歯の本数と、②周りの歯の状況によって使い分けをしています。
見た目の自然さや仮歯の安定感、また費用はそれぞれによって変わります。
抜歯の本数が1本であればこの方法が最もシンプルになります。
抜歯する歯の両隣の歯にレジン製の人工歯を特殊なセメントで接着する方法になります。
見た目を即日回復できる最も手軽な方法でありますが、弱点もあります。
歯科用のプラスチック製のため天然歯ほどの透明感はないですが、近年は色味のバリエーションが増えており、周囲から気づかれにくい仕上がりも可能になります。
ただし数週間〜数か月の使用を前提とした一時的なものになるので、長期間の使用には耐えられません。
両隣の歯にすでに被せ物が入っていて、その被せ物を外しても良い場合の治療法になります。
いわゆるブリッジになるので、上記の接着するタイプと比較すると安定感は増します。
また歯の欠損の本数が少し多くなっても、この方法で仮歯を付ける事ができるので、抜歯の本数が1〜4本くらいであればこの方法での対応が可能になります。
この方法の弱点はこちらになります。
ブリッジタイプになると、レジン製とはいえかなり自然な仕上がりにする事ができます。
上記で述べたように、ブリッジの長さが長くなると、耐久性が弱くなるので、破折を起こす可能性が高くなります。また、数週間〜数か月の使用を前提とした一時的なものになるので、長期間の使用には耐えられません。
取り外し式にはなりますが、抜歯した日に入れ歯をセットする事もできます。
当院ではそもそもの入れ歯をつけたくない患者様が多いので、歯の欠損歯数が少なければ上記の方法で対応する事が多いですが、欠損歯数が多くなってしまうと固定式はできないので、患者様にご説明の上で取り外し式を治療期間の間だけ仮入れ歯としてご使用いただいております。
抜歯を行う前に型取りをしておき、技工所にて即時義歯やフリッパーを作製してもらう事で、抜歯日に装着して帰る事ができます。
この方法の弱点はこちらになります。
できれば固定式で仮歯を作る事ができれば良いのですが、抜歯が必要な歯の本数が多い場合は避ける事ができません。
即時義歯とフリッパーに構造的に大きな違いはありません。
両者とも入れ歯用の素材で作られるので、見た目においても変わりはありませんが、フリッパーの方がより暫間的で、見た目を回復することに特化した入れ歯になります。
ですので、フリッパーを使ってしっかり食事を咀嚼できるようにするのは難しい場合もあります。
様々な条件が整えば、抜歯をするときに同時にインプラントの埋入(抜歯即時埋入)を行い、そのインプラントに仮歯をつける(即時荷重)という方法を行う事ができる可能性があります。
この方法がうまくいけば、仮歯の安定感もよく、治療期間も短くできるので、有効な方法になります。
実際に当院で即時荷重を行った症例がありますので、こちらをご確認ください。
【症例】インプラント埋入と同時に仮歯が入る「インプラント即時プロビジョナル」を行なった患者様【30代・女性】

子供の頃から残っていた乳歯がグラついて抜歯が必要になり、当院へご相談にいらっしゃいました。骨の高さ・厚み・歯肉の状態が十分に整っていたため、インプラント埋入と同時に仮歯を装着する治療プランをご提案。手術当日に仮歯まで入れることができ、その後骨接合を確認して最終セラミックをセットしました。
この症例について詳しくはこちらをご覧ください:【症例】インプラント埋入と同時に仮歯が入る「インプラント即時プロビジョナル」を行なった患者様【30代・女性】
◯関連記事:抜歯即時インプラントについて
なお、即時荷重が適応外の場合でも、当院では抜歯当日に仮歯(テック)をお入れすることができます。欠損歯数や隣の歯の状態に合わせて、様々なタイプのテックを作製しています。


①インプラントの初期固定が良い
インプラント体がしっかりと骨と噛んでいて、安定していることが絶対的な条件になります。
②インプラント周囲に骨量が十分にある
インプラント体が長期的に安定できるような、十分な骨が残っていることが前提となります。
③埋入予定周囲に感染や炎症がない
インプラントを埋入する予定の部位に感染があると、インプラント体に感染が及んでしまう可能性があるため、感染がないことが条件になります。
このように様々な条件が揃った時に抜歯即時インプラントが成立するため、すべての患者様に適用できるわけではございません。
ただ、この術式ができると治療期間も短くでき、患者様の負担を軽減する事ができるため、とても良い選択肢になります。その為には、抜歯前にCT検査や咬合検査などの術前診断が必須になります。

「口の中を見られるのは裸を見られるよりも恥ずかしい」と言われるほど、お口の中の事情は他人にはバレたくないものです。
ですので「抜歯後で仮歯だと周囲にバレないかな」と不安になる患者様のお気持ちは当然のものです。
そこでいかに仮歯を自然に仕上げることができるかについてお話ししていきます。
仮歯の中でも、素材や作製方法によって見た目の自然さや使用感は大きく変わります。
また、仮歯とよく似たもので、「プロビジョナルレストレーション(通称プロビ)」と呼ばれるものがあります。
”仮歯”はいわゆる見た目を回復することに特化したもので、厳密な噛み合わせや、清掃性などは考慮されていないものになります。
”プロビ”は仮歯とは違い、見た目はもちろんのこと発音や清掃性など、最終的な歯が出来上がる前のリハーサルのようなものになります。このプロビがしっかりとできていることで、より安心して最後のセラミックを作成する事ができます。
仮歯の中にはチェアサイドで歯科医師が作製するものと、歯科技工士が作成するものと2種類あります。
技工士が作製する場合には作製期間として1〜2週間必要になります。
最近では、歯科においてもデジタル技術が浸透してきているので、クリニックで仮歯を作る事ができる医院もありますが、それでも多少の時間が必要になります。
歯の処置をした日に、一旦その時にチェアサイドで歯科医師が作る仮歯は、”即時重合レジン”と呼ばれる粉と液体でその場で作るもので、歯の色や形態、質感は技工士の作製するものとは異なります。
当院ではまずは口腔内で歯科医師が仮歯を作製し、その後技工士にプロビジョナルレストレーションを作製していただき、最終的な見た目や、使用感を確認しており、その方の状態によっては複数回プロビジョナルレストレーションを作製する事もあります。
歯科医師目線の話をさせていただくと、まず患者様によって仮歯への重要性の認識が異なる事があります、具体的には、チェアサイドで作製した仮歯で満足される患者様もいらっしゃれば、厳密に色調も合わせてほしいと希望される患者様もいらっしゃいます。
また、仮歯を技工士に作製を依頼する場合においては、技工料がかかるので、患者様にご負担いただく仮歯の費用は高くなる傾向にあります。
このように審美性に関わる前歯に関しては、その患者様がどの程度審美的要求が高いかにも寄るので、歯科医師からも分からない事もあります。
ですので、もし費用がかかっても綺麗な仮歯を入れてほしいと感じる患者様は、ぜひ一度担当の先生にご相談してみてください。

それでは仮歯を入れなかった場合に、どのようなリスクがあるのでしょうか。
短期間であれば、マスクをして生活すれば我慢ができると考える患者様もいらっしゃいますので、仮歯を入れないことにもリスクがあります。
機能面、審美面も含めて仮歯には重要性がありますので、ご説明いたします。
前歯がない状態は審美的な口元の印象を大きく変えるだけでなく、サ行・タ行などの発音が不明瞭になると言われています。特にサ行は別名「歯擦音」と呼ばれるので、前歯がなくなると発音がしづらくなります。
また前歯で食事を噛み切ることができなくなるので、日常生活に不便を感じられることが出てきます。
歯を失った後にそのまま放置していると、時間が経過すると空いたスペースに隣の歯が傾いてきたり、噛み合う対合の歯が伸びてくるなど、噛み合わせが変わるリスクがあります。
一度変わってしまった噛み合わせは元に戻すには矯正治療が必要になるので、高額な治療が必要になります。
また抜歯をした部位は、その後徐々に骨が吸収してしまい痩せていくため、その後将来的にインプラント治療を検討する場合には、次の治療が難しくなる場合があるので、要注意になります。

抜歯後に抜歯直後に骨の吸収を最小限に抑える方法として、抜歯窩に骨補填材を充填するソケットプリザベーション(歯槽堤保存術)があります。
抜歯後の治療選択肢として、インプラント治療を検討している場合には特に有効な方法になります。
また、前歯の場合はソケットプリザベーションで使用する骨補填剤を、仮歯で上からきちんと押えてあげることで、骨補填剤が漏れにくくなり、ソケットプリザベーションの効果も上がります。

仮歯はあくまで暫間的なものであり、長期間使えるものではありません。
最終的にはインプラント・ブリッジ・入れ歯のいずれかの方法で、失った歯を補う必要があります。
それぞれの治療にメリット・デメリットがあるので、慎重に選んでいただければと思います。
インプラントは周囲の健康な歯を削らずに、独立した歯を入れられる治療法になります。
特に前歯は審美性も機能性も求められるため、骨や歯茎の状態や隣接した歯の状態・噛み合わせまでと、全てを考慮した精密な治療計画が必須になります。

前歯のインプラントは歯茎のラインや質感、また歯の形・色が隣の天然歯と調和している必要があるため、通常のインプラント以上に高い技術と治療計画の精度が求められます。
特に、歯を作製する歯科技工士との連携や仮歯での見た目、清掃性など確認が非常に重要であるため、前歯のインプラントは経験と技術が必要な治療になります。
症例:昔にぶつけた前歯の抜歯が必要になり、インプラント治療を選択されたAMさん【30代・女性】
ブリッジは両隣の歯を削って橋渡しする治療法になります。
保険適用でも対応が可能で、インプラント治療と比べて比較的早く歯が入る治療になりますが、両隣の健康な歯を削る必要があるため、患者様の口腔内の状態によってはお勧めしないこともあります。
入れ歯治療は外科処置が不要になるので治療費用を抑えられますが、取り外し式であるため、煩わしく感じられる患者様もいらっしゃいます。また、入れ歯を固定する金具(クラスプ)が、笑った時に口元に見えてしまう可能性があるため審美性を気にされる場合はお勧めできません。
また固定式の方法と比べると、入れ歯は噛む力が劣るためしっかりと食事を咀嚼したい方には不向きかもしれません。
歯の移植は上記3つの方法とは一線を画す方法になります。
外科処置が必要ですが、インプラントではなく自身の不要となる歯を再利用できる方法になります。
ただ、問題点として歯のサイズ感が合わない場合には対応できない点と、不要になる歯が必要なため、矯正治療と併用するなど条件が合わないと対応できない方法になります。
抜歯当日にスムーズに仮歯を装着するためには事前準備が大切になります。
インプラント治療を前提とした症例を例に解説します。
抜歯前に来院していただき検査・治療計画の立案を行うことで、まず本当に抜歯が必要なのかの最終診断を行います。
また、抜歯する歯の状態や隣接する歯の状態を抜歯前にきちんと診断することによって、仮歯を作るための型取りなどを事前に行う事ができ、抜歯当日の仮歯装着がスムーズになります。
また歯の状態によっては抜歯即時インプラントの適応やソケットプリザベーションの適応である場合もあるため、精密検査を抜歯前に受けていただくことで様々な可能性をご提案する事ができます。
このようにインプラント治療は抜歯をする前から始まりますので、抜歯が必要だと診断を受けた際には、ぜひ抜歯をする前にLOHASデンタルクリニックにご相談ください。
仮歯の方法だけでなく、精密検査に含まれるCT検査の結果から、その後の治療の選択肢(インプラントか・ブリッジか・入れ歯か)を正確に判断する事ができます。
まずはCT検査で骨の量や形状を三次元的に確認し、どのような治療プランを御提案することができるかを聞いていただいた中で、患者様の希望される治療を一緒に検討していくことが大切になります。
精密検査の結果を元に、その患者様が抜歯即時インプラントが可能か、骨造成が必要か、ブリッジや入れ歯の方が適しているかなどを総合的に判断しています
患者様の希望される治療ゴールと治療費用、また治療期間も含めてどの治療計画が最も現実的でご満足頂けるかを一緒に検討していきます。
また、治療プランが決まれば、仮歯の種類や装着タイミングも含めた治療計画をご説明する事ができます。
仮歯はあくまで暫間的なものであり、最終的なセラミックが入るまでの期間を快適に過ごしていただくための注意点を解説していきます。できる限り仮歯を長持ちさせ、脱離などのトラブルを防ぐためのケア方法をご紹介します。
仮歯の装着様式によっては、硬いものや粘着性のある食べ物は仮歯の脱離や破損の原因になる場合があります。それらを避けるために仮歯で噛み切る動作は控え、できる限り奥歯を使って小さく切った食べ物を食べるよう心がけるようにしましょう。
仮歯は特殊なセメントで付けられている事が多く、フロスが通せない場合があります。その場合は歯ブラシをメインにきちんと仮歯の周囲も歯ブラシを当てるようにしましょう。
歯間ブラシは細いものであればきちんと通せることもありますが、仮歯が外れてしまう可能性もあるため、要注意になります。
お食事をしていて、仮歯が外れてしまった際に捨てずに保管し、できるだけ早く歯科医院を受診するようにしてください。ご自身で接着剤を使って戻すことは噛み合わせのズレにつながるため、止めておきましょう。
仮歯のまま治療を中断して放置してしまうと、仮歯の周囲に汚れが溜まってしまい歯茎の炎症や虫歯の原因になることもあります。また、そもそもの仮歯はそこまで長期的な使用を目的としているものではないため、徐々に削れてしまうなどのトラブルも引き起こします。
周囲の歯にも悪影響が出る可能性があり、仮歯はセラミックに移行するまでの一時的なものであるため、計画通りに治療を進めることが非常に大切になります。

当院では治療期間や患者様の身体への負担を考える時に、まず患者様に一番負担が少ない治療を考えるようにします。
上記でもお伝えしたようにインプラント治療は抜歯前から始まっています。
ですので、抜歯を行う前に是非一度ご相談をしていただければと思います。
私は患者様にとって長期的に安心していただけるベストな治療プランが何なのかをきちんとご相談した上で治療プランをご提案するようにしています。

福居 希(医学博士、口腔外科認定医)
大阪医科大学口腔外科で口腔外科認定医および医学博士を取得した。またアメリカのカリフォルニア大学(UCLA)のインプラント科へ留学し、インプラント治療を学んだ。
現在はフリーランス外科医として出張手術を行う傍ら、スタディーグループsurgical Implant Instituteを主宰し若手歯科医師を対象にインプラント外科を教える場の提供や講演会などでの発表をおこなっている。
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